
便利でバリアフリー度と安全性も高い吊り引き戸ですが、デメリットもあります。
●気密性や遮音性の低さ
まず、吊り引き戸は扉と壁・床の間にすき間ができるため、開き戸に比べて遮音性や気密性が下がります。
特にプライバシーが重要な場所(寝室・トイレなど)には不向きとされています。とはいえ、近年では対策がされているものもあるため、それほど気にはならないでしょう。気密性も、高断熱や全館暖房で家全体を暖めているお宅では、あまり問題はありません。
●壁面スペース
扉が開閉する動線に重なる壁部分に物を設置できないため、壁面スペースを有効に使用できない場合があります。吊り引き戸には戸袋をつくらずに設置できる「アウトセット吊戸」と呼ばれるもので、戸袋は不要ですが、扉が移動する分のスペースは必要になります。
●戸の種類の中では壊れやすい
アウトセット引き戸は、他の戸に比べると壊れやすい一面があります。これはアウトセット引き戸に限らず、上吊り戸全般的にいえます。
下部にレールがないため、外側に力を加えると吊り下げている部分に余分な力がかかる為です。通常の使用で簡単に壊れることはありませんが、経年劣化とともに金具が弱ったりすると不具合が出やすい傾向にあります。